赤岩の忍たま視聴備忘録

忍たま視聴メモと幾つかの覚書

25期オープニング映像

※詳細なシーン解説があるため、ネタバレを回避したい方の閲覧はお控えください。

 

また今年も「いつものように新作が見れる」
ただそう思いながら18時10分にテレビのチャンネルをEテレにあわせたら、
「25」と書かれた真っ赤な焙烙火矢と、火花が走る導火線のアニメーション。

 

第1期のオープニングを彷彿とさせつつも、より生き生きとしたアニメーション表現を使いさらに前へ進もうと言わんばかりのその映像は、
まるで還暦を迎えて赤いちゃんちゃんこを羽織るおじいちゃんのような印象でした。

その後も右上に表示される25周年ロゴ、
いつもの乱きりしんとくのたま3人組…からの1年は組、
ドクタケ忍者にタソガレドキ忍軍組頭の雑渡昆奈門など登場人物が増えたところで、
山田利吉の決まり過ぎなソロシーン。

その後四葉カタバミ(時代的にクローバーではないはず)を土台に
乱きりしんと山田先生があらゆる変装をして…最後はお約束の女装。
今年の投げキッスが控えめなのは、去年のOPが濃厚すぎたからでしょうか?

 

「♪冒険しよう」のシーンで兵庫水軍とドクたまが海を軽やかに進む…その後ろには花房牧之介。なんというか、生命力強い。
水軍の船には相変わらず船酔い中の親方。白南風丸も乗り物に弱いはずだがまだ体調は良さそう。一方で銭湯の鬼蜘蛛丸の立ち姿には歯切れのよい健やかさを覚えました。
ただ個人的に、座る角度のせいで蜉蝣さんの顔が見えない(かろうじて眼帯で判別できる)のが残念でした。

 

HEY!HEY!の掛け声とともに上がる忍たまの腕、数えてみたら30本はありました。
乱きりしんから始まった忍たまの世界が量的に拡がった歴史を垣間見た気がしますが、それにしても、23期の第1話といい、宝塚歌劇団を意識してます??
(2回めのHEY!HEY!ではラインダンスのように脚を上げていますし)

 

サビの部分では忍術学園教師のアクションと、1年は組が肩を組むシーン(円陣かな?)。
その後飛び交う「忍」の字が書かれたカラフルな卵からは、各委員会ごとに忍たまが顔を出す仕掛け。
このギミック自体は面白く見れたのですが、生物・火薬・体育の各委員会が他の卵とかぶさって見えづらくなったのはなんだか可愛そう。

そしてラスト近くには一本の縄に捕まる乱きりしん…ではなく1年は組。
ワンカットで映るキャラにも歴史を感じつつ、
最後はヘムヘムの笑い声で〆る。

 

「あの頃見ていた忍たまのOP」と「これだけ敵も仲間も増えた忍たま世界」を1分半に詰め込んだ、そんな内容でした。

 

 

という感じで思いッきり細かくネタバレを書きましたがここで赤岩が感じたことを幾つか。

 

1・「乱きりしんの忍たま」から「1年は組の忍たま」への移行

これを強く感じました。
1年は組の忍たま、初期ではモブやゲストキャラに近い扱いだったように思います。
原作の方でもキャラが固まりきらなかった時期もあったので設定や扱いのズレがかなりありましたが、
いまは1年は組の11人は「チーム」として捉えて制作されているように思いました(劇場版第2弾にも強く現れています)。
作品の世界観の変容と広がりが一番現れてますし、見ていて和む…ショタ美味しい(コラ)と思うのですが、これが忍者として成長するに連れて軋みが出る前の一時の安らぎ、未来の試練へのフラグなのかな、とも思うと「仲良しこよし」で片付けられない気がしました。
むしろこんなにキャピキャピな忍者で大丈夫なのか、と山田先生土井先生も思っているような気がします。

 

2・人数の増加による、取れ高争奪バトルロワイヤルの恒常化

キャラ数が増えたことによる露出度の差が気になりました。
「卵から顔を出す委員会」のシーンが一番わかり易いですが、忍術学園内でも中々画面に出られない・ちょい見せしか出来ていないキャラがいます。
自分が姉に「忍たまは男子生徒だけで45人いるよ」とメールしたとき「ひとクラス作れる…」と返事がきたのを思い出しました(原作だとさらにもう一人…)。
教師では土井・山田・戸部・山本の各先生と学園長のみサビ部分に登場しましたが、こちらはもしかすると第1期に登場した方に絞ったのかもしれません。
それ以外だと安藤・斜堂・大木・魔界之の各先生、小松田くん、食堂のおばちゃん、北石照代(元教育実習生枠)がラスト近くで登場してます。

…というところで赤岩さんは「新野・木下・厚着の各先生が…俺の推しが…(´;ω;`)」となっていますし、
ツイッターのTL眺めていたら与四郎はじめ風魔組、ドクササコ城、オニタケ城が出なかったことを憂いているクラスタを見かけました。
二次創作界隈だと脇役好きの方をよく見かけるので、ああ、また推しの露出度の差で揉め事が起きなければいいな、と。

 

3・全員出すのが幸せにつながるのか
これを見て思い出したのがプリキュアの映画。自分はまだ見れてないので情報だけのご紹介で恐縮ですが(恥ずかしながら今年のプリアラからハマりました)、
一時期までは「オールスターズ」と称し、歴代のプリキュア(それに類する戦士含む)全員が一同に集うお祭りのような形を取ってました。
しかしそれにより見せ場に差が出る、声がつかないキャラが出てしまう問題があったうえ、一番の観客である年少者がそこまで昔のプリキュアを知らないということも議論に上がりました。
その結果なのかはさておき、今年の春映画は「ドリームスターズ」と改称し、登場人物を直近3代に絞っての制作となりました。
ちなみにプリキュアの合計人数は(判断基準に諸説ありますが)今年で50人の大台に乗りました。忍術学園の男子より多いバトルヒロインたちがスクリーンにひしめいていたわけです。
(今年のドリームスターズの登場キャラでも12人と忍術学園1年は組とほぼ同数です)

今回のOPは忍たまの今と昔が融合していて気に入っています。しかし「大きいことは良いことだ」とは言い切れない部分がちょこちょこ出ているのが気になりました。
ただ、本編でまとまった話を作りづらいキャラクターにとってはOP・EDが精一杯の出番・取れ高になっている現状もあるので、
「登場人物を絞ったシンプルな画面にして、脇役が引き立つ話を本編でやってほしい」とも言い切れないところではあります。

 

 

時間的・予算的・営業的・大人の事情的な問題が自分が想像する以上に制作スタッフにのしかかっていると思います。なので迂闊にクレームやリクエストを言いづらいです

昔ながらの「乱きりしん+土井先生山田先生」な忍たまが見たい人もいれば、
潮江文次郎と食満留三郎が喧嘩しているところをもっと見たいという人もいれば、
せっかくミュージカルに出た兵庫水軍をもっと出して欲しい人もいれば、
「あれ、新野先生また出張?医務室開けすぎじゃね?」という少数派な私もいます。

公共放送局というチャンネルの宿命もありますので、
万人に受ける最大公約数的な幸せを求めるのがまっとうかもしれませんが…

 

個人的には「忍たまだからできる【話】を突き進んでやってほしい」

これを願いながら、また赤い焙烙火矢に火がつくところから、
毎週5回追いかけていきたいと思います。